こんにちは。紅茶です。
今回ご紹介する本はこちら。
『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』
どんな本?
基本情報
内容紹介 & おすすめしたい方
20世紀まで、頭の良さとは「高学歴や知識の豊富な人(=解を問う)」のことであった。
しかしAIやロボットが参入してきている今、人は情報や知識量では負けてしまう。
そこで必要になるのが「思考力」である。
これからの頭の良さとは「思考力や想像力のある人(=問いを問う)」となる。
では、どうやって思考力を鍛えたらいいのか?
また、これから先の未来の社会はどのようになっていくのだろうか?
思考の鍛え方を共に、未来の社会について考えさせられる楽しい一冊。
・思考力を身につけたい方
・これからの社会(仕事、経済)が気になる方

タイトル的に「1日3時間だけ働いておだやかに暮らす」方法が列挙されている内容かと思いきや、「思考法」「これからの未来予想(経済の変化)」がメインの本でした。
読みやすさ
少し立ち止まることが必要な部分もありました。
ですが、基本的に読みやすいです。
この本の魅力
大胆な未来予想が面白い
これからの経済は資本主義ではなく、信用主義へと変わる。
「お金」よりも「信用」を貯めるべきである。
社会のあり方も、仕事のあり方も、お金の定義も変わっていくだろう…
なかなかに大胆な未来予想で、読んでいて楽しいです。
そもそもの「お金って何だろう?」という根本から問い直します。
考え方のコツがためになる
知識よりも思考力とはいえども、やはりある程度知識は必要になります。
ですが、知識を得る時にも「思考力」は役立ちます。
例えば、頭のいい人が英語を覚えるときは、単語をあまり覚えないそう。
“たとえば「sub」の意味は、「下(の)」である。「subway(サブウェイ)」の意味は、sub(下の)way(道)で「地下鉄」、「submarine(サブマリン)」は「海の下」で潜水艦、「subliminal(サブリミナル)」が「潜在(下の)意識」と類推できる。“(P.65)
“たとえば、bは存在や肯定、向上、成長などを意味し、dは欠乏や否定を表す。だから単語の頭にbが使われていれば、自然に「ああ、何か肯定的、前向きな意味なんだな」と感じることができるし、d〜とくれば「なんとなく、悪い意味だぞ」と推測できる。抽象度は高いが、本質的であるからこそ応用がきくのである。” (P.65)
私は何も考えずにがむしゃらに暗記しようとするタイプですので、ちょっと感動しました。笑
他にも「思考力を鍛えるサイクル」「コーザリティマップを使う」など、様々なコツが載っていますので、ぜひ本書を参考にしてみてください。
紅茶の感想
たまに「えっ?」となる部分や飛躍する部分もありましたが、楽しく読みました。
お金は生まれた時から当たり前にあったので、「経済にお金は本当に必要かな?」と考えたことがありませんでした。
ものすごい勢いで様々なことが変わり始めている現代ですから、お金が必要でなくなる世界は確かにあり得るかもしれません。
これから先何が起こるかわからないので、こうして色んな方の予想を見るというのも勉強になります。
また「知識よりも思考力、そのために情報を遮断する」とあり、納得もできるのですが、私自身は知識がないので今は知識を吸収していきたいです。でも、確かに情報を浴びすぎるのも良くないので、ネットとの上手い付き合い方を模索したいなと思います。
社会の変化の中で考える、自分とは
「本当の自分」って何だろう?と常に考えてきました。
そんなものは存在しないのだ、と悟ったこともあります。
本書で最後の方に「自分とは」という話題がありましたが、今の自分にはだいぶしっくりくる答えでした。
それは、「自分とは肉体でも個体でもない。人と人との間にある意識のこと」です。
筆者の予想全てが当たるかどうかはわかりません。ただ、気づきをいくつも与えてくれたいい本でした。
それにしても、なんとな〜く「1日3時間しか働かなくていいなんて最高!」と思って手に取った本書で、こんなに深い話題について考えることになるとは…恐るべしです。
皆様もぜひ『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』をお楽しみください。
最後に私の心に残った言葉を引用しておしまいにします。
ありがとうございました。
それでは〜(・v・)ノシ
本は大きな助けとなるが、問題意識はあくまでも自ら生み出す必要がある。優れた書籍は問題意識に答える力を持っていたとしても、問題自体を与えてくれるわけではない。もし何も考えずに「皆が読んでいるから自分も読もう」という動悸で本と向き合っても、それがどんなに名著であろうと何も提供してくれない。
山口揚平『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』(プレジデント社、2019年)P.79より