こんにちは。紅茶です。
今回ご紹介する本はこちら。
『ここじゃない世界に行きたかった』
どんな本?
基本情報
内容紹介 & オススメしたい方
文筆家である塩谷さんによるエッセイ。
(著者本人によると「ありふれた平凡家庭に生まれた私が書いた、身の丈程度のエッセイ集」)
内容は暮らしでのこと、政治のこと、環境問題のこと、生き方のことなど、多岐に渡る。
1つ1つの話題に深みがあり、読み応えのある一冊。
・視野を広げたい方
・深く考えるきっかけが欲しい方
読みやすさ
読み手によると思いますが、私は意味を噛み砕くのに時間がかかる部分もありました。
サクサクっとは読めないですが、じっくり時間をかけて読むのもまた楽しいです。
この本の魅力
情熱が垣間見える
淡々とした語り口なのですが、情熱を感じ、心を動かされます。
心のうちに秘めた想いを惜しげもなく見せてるので、嬉しくてなんだかドキドキしました。
時々ハッと目を覚まさせてくれるような、想いのこもった本でした。
1つ1つの話題の深み
上記の通り、暮らしのこと、政治のこと、環境問題のこと、生き方のこと、などなど…
全部で23個の話題が載っています。
1つ1つ、読み終わると考えさせられることも多いので、1日1つ読んで、その日はその話題についてじっくり考えてみる…なんて読み方も楽しいかもしれません。
紅茶の感想
面白いエッセイでした。
著者は本書のことを「視点の異なる友人だと思ってもらえると嬉しい」と述べていましたが、まさにそんな感じです。
聡明な友人と、実りのある会話を楽しんだかのような…有意義な読書時間でした。
自分を知ること
この本を手に取ったのは、タイトルに惹かれたからです。
「ここじゃない世界に行きたい」…何度も何度も考えたことがあります。
どこへ行っても、結局自分は自分。
頭ではわかっていても「ここではない世界へ行けば…」という救いを求めた淡い期待は捨てきれませんし、捨てなくていいのかもしれません。
本書を読んでいて感じたのは、自分を知る大切さ。
自分は何が大切で、何が好きで、何をしたいのか…
正解のない世界だからこそ、それを知って初めて、自分の外側の世界に自分から関わっていけるのだと、感じました。
皆様もぜひ『ここじゃない世界に行きたかった』をお楽しみください。
最後に、私の心に残った言葉を引用しておしまいにします。
ありがとうございました。それでは〜(・v・)ノシ
私たちは「ここじゃない世界に行きたい」といまいる場所から離れてしまいたくもなるけれど、その遠い場所では結局、別の現実の中で人々が懸命に生きている。
塩谷舞『ここじゃない世界に行きたかった』(文藝春秋、2021年)P.70より