こんにちは。紅茶です。
今回ご紹介する本はこちら。
『希望ヶ丘の人びと』
どんな本?
基本情報
あらすじ紹介 & おすすめしたい方
2年前に妻に先立たれた田島。
中3の娘・美嘉と、小5の息子・亮太を連れ、妻のふるさとのニュータウン「希望ヶ丘」へ戻ってきた。
ここから再出発だ!
…と思ったものの、新しく開いた塾には生徒が集まらず、亮太は亡き母の思い出を探し続け、美嘉は学校に馴染めない。
しかし、妻の故郷で、妻の同級生や知り合いに出会い、家族が少しずつ前進していく。
これは、家族の温かさが書かれた、希望の溢れる物語。
・スカッとしたい方
・心温まるお話が好きな方
・子供との関係に悩むお父さん
読みやすさ
上下巻合わせると832ページありますので、少し長め。
ですが、マンガを読んでいるかのような感覚で、サクサクと読めます。
この本の魅力
頑張る父親の姿
本作では、頑張る父親に焦点が当てられています。
お母さんが読んでももちろん面白いですが、もしかしたら、お父さんにより響く内容かもしれません。
希望に溢れている
どんなに「落ちこぼれ」と言われようとも、「ふつう」から外れていようとも、自分で前を向いた時から人生はやり直せる。
人生には「希望」が溢れている。
そんな前向きな気持ちにさせてくれるお話でした。
家族の温かさ
本作では、様々な家族の形が描かれています。
それぞれ形は違えど、家族を大切に想っているのが伝わってきて、優しい気持ちになれます。
紅茶の感想
自分も頑張ろう!と気持ちを鼓舞してもらいました。
ところどころに昭和の青春も詰まっています。
そういえば、私の両親も昔は子どもだったんだよな、青春があったんだよな、と当たり前のことをふと思いました。
狭間を生きている
子どもの話と大人の話、どちらも描かれています。
私は、数年前であれば「子ども」の話に共感していたと思います。
でも「子ども」の話は、きっともう私のものではない気がしました。
とはいえ、「大人」の気持ちも、私にはわからないことも多い。
どちらにも行けず、狭間を漂っているなぁ〜と感じます。
年齢的には立派な大人なのですけれども…
大人になりつつも、子どもの気持ちも忘れたくないです。
皆様もぜひ『希望ヶ丘の人びと』をお楽しみください。
最後に、私の心に残った言葉を引用しておしまいにします。
ありがとうございました。それでは〜(・v・)ノシ
子どもの『もしも』は未来に向いてる。可能性だ。もしもボクに翼があったら、もしもタイムマシンがあれば、もしもJリーガーになれたら……ってな。でも、おとなの『もしも』は過去にしか向かわない。後悔や愚痴だ。もしもあのとき、ああしていれば、もしもあのとき、ああしてなければ……ってことだろ?
重松清『希望ヶ丘の人びと(下)』(講談社、2015年)P.149より