【本紹介&感想】常識を覆そう『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』

こんにちは。紅茶です。

今回ご紹介する本はこちら。

「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

アートが好きな人も、そうじゃない人も!
ものの見方の常識が覆り、自分で考える力が身に付く一冊です。

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目次

どんな本?

基本情報

著者   … 末永幸歩さん
発売年月 … 2020年2月
出版社  … ダイヤモンド社

ページ数 … 344ページ
ジャンル … 美術

内容紹介 & おすすめしたい方

「美術は苦手…」「アートってどう鑑賞したらいいかわからない」
もしかしたら、美術やアートを小難しくて堅苦しいものだと思ってはいないだろうか?

本書は複数の「絵画」や「彫刻」、「こんなものも?」と思える作品を紹介しながら楽しく美術の「常識」を覆していく

美術が苦手だという方や、考える力を身につけたい方にもぜひ読んでもらいたい、章が進むごとに物事の見方や捉え方が変わっていく一冊。

おすすめしたい方

・考える力を身につけたい方
・芸術に取り組んでいるけれど苦しい方
・アートをどう鑑賞したらいいかわからない方

「13歳からの」とあるので「子供向けかな?」と思われるかもしれませんが、子供とか大人とか関係なく、芸術が苦手な方、考える力を身につけたい方へ向けられた本です。

読みやすさ 

難しい解説などは一切ありません
アートとか美術とか詳しくないし、苦手だなぁという方も安心して読み進められます。

図や引用された作品の写真が多数あり、内容がより分かりやすくなっております。

この本の魅力

アートの常識が覆る!

そもそもアートとはなんでしょうか?
絵画?彫刻?美しいもの?美術館にある格式高いものたち……

気がつかないうちに、常識に囚われているかもしれません。

(1つ私がなるほどなぁと思った本書の内容を紹介します。ネタバレを含みますので、それでも構わないよという方のみどうぞ)

目に見えるもの(⚠︎ネタバレ含みます)

皆様、近くに窓はありますか?今から5秒間、窓を見てみてください。



……

………


見ましたか?



それでは本題に入ります。
今窓を見てもらいましたが「窓そのもの」を見つめた方はおそらくいません。空や雲、木、ビルや人など、「窓の向こうにある景色」を見ていたのではないでしょうか?

絵を見る時も同じで、「絵そのもの(=キャンバスや絵の具)」ではなく「イメージ」を見ています。

もしも他の生き物たちが絵を見たとしたら「イメージ」ではなく「物質」として認識します。このよう「イメージの力」は人間ならではのものであるとともに、私たちには「物質そのものとしての絵」が見えなくなっているのです。

だからなんだと思うかもしれませんが、私は目から鱗が落ちました。

そもそも「アートってなんなんだろうな」と思うきっかけを与えてもらいました。「イメージ」のみ見ていて「物質そのもの」が見えておらず、しかもそれが全てだと思っていた自分の”見えてなさ”も。

私は面白かったのですが、いかがでしょうか?
これ以外にも、本書は盲点をたくさんついてきて面白いので、皆様もぜひお楽しみください

楽しいミニチャレンジ

章の頭に「やってみよう!」というミニチャレンジがあります。

とは言っても「できる限りリアルにサイコロを描いてみて」「この4つのうちアートなのはどれ?(ピエタ、モナリザ、ノートルダム大聖堂、カップラーメンの4つが示されている)」など、5分もかからない簡単なものです。

ここでは絵のうまさや正解率をみている訳ではなく、「リアルな絵って何?」「そもそもアートって何?」という話をより理解しやすくするための前座ですので、軽い気持ちで取り組めます

色々と見透かされていて笑ってしまいました。
最初の方のミニチャレンジでは自信満々に「これはこうでしょ!」と答えていたのに、章が進むごとに「いや待てよ…」となっていき、成長を感じました

アートで苦しい方へ

絵を描く方、物を創る方、何かを生み出す方。そして、それに苦しめられている方
ぜひ、本書をお手に取ってみてください

私も趣味で絵を描くのですが、そんなに上手い訳でもなく、時々ものすごく苦しくなります。
本書を読んで、気持ちが楽になりました。もう少し軽い気持ちで取り組めそうです。

また、本書は「アート」ということで「芸術」が思い浮かぶと思いますが、それ以外にも応用が効きます。

紅茶の感想

楽しい本でした!自分の凝り固まった考え方をほぐしてくれる本、大好きです。

読了して価値観が変わり、今のところ考えすぎて「アートとは何か?」ということが逆にわからなくなりました。

ですが、以前の「アートって絵画とか?なんか美術館とかにあって、皆が価値があるって言ってるもの」となんとなく考えていた頃よりも、はるかに先へ進んでいます

私は絵を描く時、いろんな先入観に囚われているのだと気がつきました。
また、アート鑑賞ではどうみたらいいのかわからず(やはり事前に知識を身につけるべきなのか?)と堅苦しく考えていましたが、意外と自由に楽しんでいいのだなと、心が軽くなりました。

見えるものだけがアートじゃない

目に見える作品だけが全てではないのですね。
本書では、目に見える作品を「」、その下にある興味関心を「興味のタネ」、そこから伸びる「探求の根」と植物に例えています。アートとは「花」だけではなく「植物」全体を指します。

私たちは相手の頭の中はわかりませんから、相手の「種」や「根」よりも「花」が目につきやすいです。
そのため「あの人はすごいな、それに比べて…」と落ち込んでしまう…

でも、「花」を咲かせるスピードや頻度は人によって異なります。
そして「花」はあくまで結果であり、その下にあるものもアートなのです。それを疎かにして、無理やり花を咲かせようとするのは、きっと苦しみを増幅します。

いろんなものに興味を持って、「探求の根」を伸ばしていく。時間はかかるかもしれませんが、結局それが一番近道なのかもしれません。

そうしていつか「自分だけの答え」を見つけて、唯一無二の”アーティスト”になりたいですね。

皆様もぜひ『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』をお楽しみください。

最後に私の心に残った言葉を引用しておしまいにします。

ありがとうございました。
それでは〜(・v・)ノシ

たとえいまの状態が周りの人から褒められるようなものでなくても、一向に成果が出なくても、目標さえ見つからなくても、ちゃんと「自分の興味」に向き合っていれば、必ず「点」と「点」はつながります。

末永幸歩『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』(ダイヤモンド社、2020年)P.312より
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