【本紹介&感想】どれが本当の自分?『よるのばけもの』

こんにちは。紅茶です。

今回ご紹介する本はこちら。

よるのばけもの

心を押さえて、周りに合わせてしまう方へ。
夜になると化け物になる少年の、本当の自分をめぐる物語。

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目次

どんな本?

基本情報(文庫版)

著者   …  住野よるさん
発売年月 … 2019年4月
出版社  … 双葉社

ページ数 … 288ページ
ジャンル … 小説

あらすじ紹介 & おすすめしたい方

中学3年生の安達は、夜になると化け物になる

ある晩、学校に忘れ物を取りに学校へ忍び込むと、クラスメイトの矢野がいた。
彼女はいじめられっ子なので、あまり関わりたくない。

しかし、どうしてだか彼女に正体を見破られてしまい、「また明日も同じ時間に来てくれる?」と脅しのように言われ…。

おすすめしたい方

・勇気を貰いたい方
・自分がわからなくて悩んでいる方

読みやすさ 

難しいところもなく、サクサクと読めます。

この本の魅力

考えさせられる

サラッと読みやすい文体なのですが、内容は重く、深いです。

全てが説明されていないので、ちょうどいい具合に考える隙間があります。
ですので、読む方それぞれに自分なりの答えを見つけられるはずです。

同調圧力に立ち向かう勇気

本作は「いじめ」がテーマとして取り上げられています。
そして、安達という「(基本的に)直接手は下さないが、助けもしない傍観者」という少年の目線で物語が進められていきます。

(特に多感な学生時代に)誰もが1度は味わったことがありそうな、同調圧力の息苦しさが見事に表現されています。

学生さんや若い方、周りに合わせて自分を抑えてしまう方、本当の自分がわからない方など、ぜひ本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。

紅茶の感想

読了して、いい作品だったと思うと同時に、決して他人事ではないなと感じました。

私も化け物になり得ますし、もしかしたらもうすでにそうなのかもしれません。

きっとみんな、全ての人の中に化け物たちはいるんだろうなと思いました。

そして、それも自分の一部で、どう受け止めて、どう共に生きていくかが大切な気がします。

前回住野さんの本を紹介した時も言っていましたが、今回も最後の締め方が上手いです。
最後の1文で、ふうっと息をつけた感じがします。

(↓前回紹介した時の記事です。)

自由な存在への憧れ

「いいな、私も化け物になって、夜の世界を自由に動き回ってみたい!」と、憧れました。

何か怖いことをしたいわけでも、誰かを脅かしたいわけでもなくて、ただ自由に気持ちのいい夜風を肌に感じながら、自由気ままに飛んだり、行きたいところに行ったり。

昼じゃなくて、夜っていうところがポイントな気がします。
みんなが寝静まっている頃に、こっそりと楽しむ、自分だけの世界、景色。何だか贅沢な感じがしていいですね。

そういうワクワク感も味わえる作品でした。

皆様もぜひ『よるのばけもの』をお楽しみください。

ありがとうございました。
それでは〜(・v・)ノシ

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