【本紹介&感想】世界で一番おいしい料理『すきだらけのビストロ』

こんにちは。紅茶です。

本屋さんで見かけて、綺麗な表紙に惹かれて、思わず手に取った小説…
まるで世界の優しい部分をぎゅっと濃縮したかのような、温かい気持ちになれる本でした。

とても良かったので、今回ご紹介いたします。
「最近なんだかうまくいかないな」という時は、是非お手に取ってみてください。


冬森灯さんの『すきだらけのビストロ

至福のひと時を貴方に。
料理と芸術で前向きになれる、おしゃれな小説です。

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目次

どんな本?

基本情報

著者   … 冬森灯さん
発売年月 … 2023年3月
出版社  … ポプラ社

ページ数 … 242ページ
ジャンル … 小説

あらすじ紹介 & おすすめしたい方

イルミネーションで飾られた、小さなサーカステントとキッチンカー。

それは、シロクマのようなシェフと猫のようなギャルソンが運営する、期間限定のビストロ「つくし」。

心が満ち、お腹も満ちたら、それは世界で一番おいしい料理だと思うんです。

とある人を探しながら各地を旅するビストロには、様々な悩みを持つ人が集まる。
芸術とおいしい料理が織りなすハーモニーに、ホッと心が解れるおしゃれな一冊。


おすすめしたい方

・芸術や料理が好きな方
・爽やかな小説が好きな方
・最近何だか上手くいかないな、という方

読みやすさ

読みやすさ的には普通です。

この本の魅力

贅沢な時間を味わえる

どうしてか、決まって芸術のあるところに現れるビストロ「つくし」。

ピアノや絵画、映画、舞台、能など、様々な芸術と共に振る舞われるおいしいフランス料理…

本当にビストロに入って料理と芸術を味わったかのような、満たされる濃厚な読書時間でした。

気持ちにゆとりを作ってくれる

本作の中に、心が疲れてしまった登場人物に向けられた、こんなセリフがあります。

くらしの中のささいなことにも、目を凝らし、心に照らして、手を伸ばすこと。それから、大きく息を吸って、ゆるむこと。体でも心でも、ゆるむと少しの隙間ができるでしょう。そこに新しいものが生まれたり入り込む余地ができますよ」(P.187)

まさに、本書がその役目をしてくれています。
本書を読み、こわばった心を緩めてもらえた気がしました。

ホッと一息つきたい時、なんだか上手くいかなくて落ち込んでいる時、そっと寄り添ってくれる一冊です。

綺麗な表紙

深い青色が特徴的な、優雅な表紙!
見ているだけでも癒されます。

イラストはいとうあつきさん、装丁はbookwallさんです。

紅茶の感想

私はおいしい料理が出てくる本を読むと、しばらくの間、いつもよりも食事を味わうようになります。笑

つい「ながら食べ(スマホやテレビを見ながら食べる)」をしてしまうのですが、たまにでもいいから食事に集中するといいかもな、と思います。いつもよりも美味しく感じて、感動します。

意識が別の方に向いたまま何となく食べていると、自分が空腹なのか満腹なのかに気が付きにくく、限界を超えて食べてしまうことが多々あるので、気をつけたいです…(>_<)

「好き」を味わうために

「好き」がたくさんあっても、疲れている時は上手く味わえないですよね。

あまりに疲れてしまうと「そもそも何が好きだったのか」わからなくなってきて、何をやっても楽しくなくて、そしてまた焦って…みたいな悪循環に陥りがちです。

「休むことが大切」と言われても、どう休めばいいかわからない。

そんな時は本書にあるように、すてきな芸術に触れて、おいしい料理を味わう。
心にも体にもごちそうをあげてみる。

そうしているうちに、次第に心が解れていくのかもしれません。
上記でも述べましたが、本書もそうした芸術の1つだなと思います。


皆様も『すきだらけのビストロ』をお楽しみください。

最後に、わたしの心に残った言葉を引用しておしまいにします。

ありがとうございました。
それでは〜(・v・)ノシ

特別ななにかを持っているわけじゃなくても、流される日々ばかりでも、その時々にしっかりと根を下ろして過ごす一日が、ある時なにかのきっかけで特別な景色を見せてくれる。そんな生き方だって、きっとそう悪くない。

冬森灯『すきだらけのビストロ』(2023年、ポプラ社)P.111より
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